〜中澤卓也 MINI チャレンジ JAPAN2024 第6戦 レースレポート〜
[Date]
2024/11/23-11/24 モビリティリゾートもてぎ
[Result]
予選 クラス 2番手
決勝 【Race 1】2位 【Race 2】2位
【予選】11/23 (土) 天候・晴れ 路面・ドライ
いよいよ、今シーズンのレースも最終戦。中澤はシリーズチャンピオンの座を、チームメイト・豆野選手と争う形で迎えることとなったレースウィーク。自身にとっても初となる4輪レースでのタイトル獲得に向け、予選はポールポジションを狙いたい。
最終戦の舞台となった“モビリティリゾートもてぎ”は、フルブレーキと加速を繰り返す、いわゆる“ストップアンドゴー”が頻発するサーキットである。MINIのマシンはブレーキのマネージメントが難しいため、もてぎでの走行はどのセッションもブレーキを労わりながら走行する必要があった。更に、ストレート区間が多いレイアウトであり気温も低い中での走行で、ストレート走行中にタイヤが冷えていってしまうことも懸念された。短いウォームアップと確実にアタックラップを決めて行くために、中澤は今まではトライしなかったタイヤへの熱入れを試みた。ウォームアップを1周終えた中澤は、1度ピットへ。タイヤを前後入れ替えて、再度コースインをしてもう1周ウォームアップラップ。このタイヤを前後入れ替えるという温め方は、F F車ならではのウォームアップのやり方かもしれない。フロントにエンジンがあって、フロントタイヤが駆動しているF F車は、基本的にリアタイヤの温まりがフロントタイヤに比べると悪い傾向にある。そのため、元々リアに装着する予定のタイヤを最初はフロント側に装着してコースインすることで、熱がある程度入った状態でリア側に装着することができる。
この作戦で確実にポールを狙いに行きたかったが、アタックラップに入ろうとした最中、コース上は赤旗でセッション中断。マシンをピットロードに停車するため、この間にどんどんとタイヤが冷えていく。予選中の赤旗中断は、第2戦 鈴鹿でのことが蘇る。この時点で中澤は、まだアタックラップを終えていない。仮にこのままセッション終了となった場合、中澤は最後尾からのスタートとなってしまう。コックピットに収まる中澤は、若干の焦りを感じていた。
セッションは10分程度を残して、予選が再開された。1度熱を入れたタイヤは、すでに完全に冷え切っている。もう1度熱入れを行う必要があるが、もう1度ピットインしてタイヤを再度前後入れ替えしている時間はない。
更に、セッション再開直後はコース上ではアタックラップ中のクリアラップを取るために、前車との間合いを取る“場所取り”が行われるため、場所取りを上手く行いながら、タイヤには確実に熱を入れて行くという、同時進行の作業を強いられる。 中澤は、ポールポジションこそ逃したものの、2番手で予選を終えた。
【決勝 Race1】 11/24(日) 天候・晴れ/ 路面・ドライ
予選は2番手で終えた中澤、ポールポジションポイントの獲得はチームメイト・豆野選手に許してしまう形に。しかし、この時点でもポイントランキングは中澤がリード。Race1は2番手からのスタートとなるが、狙うべきは優勝ではなくシリーズチャンピオン。このレースは2番手で終えても、ポイントランキングはリードした状態でRace2に挑むことができ、尚且つリバースグリッド方式で次レースはポールからのスタートとなる。中澤は、そんな落ち着いた気持ちでRace1のスタートを迎えた。
スタンディング方式でスタートしたRace1、スタートダッシュを決めた中澤は豆野選手をパスしてトップで1コーナーへ。その後、バックストレートで豆野選手にオーバーテイクされ2番手へ。後ろから豆野選手の走りを観察していた中澤は、次のRcae2での対策を考えていた。豆野選手のマシンが速いコーナーやライン取りを頭に叩き込み、次レースでは先行するのでその部分を意識して走行する頭に切り替えていた。
Race1はこのまま2番手でチェッカーを受けることになるが、次レースに向けて大きな収穫を得たレースとなる。
【決勝 Race2】 11/24 (日) 天候・晴れ / 路面・ドライ
Race1のリザルトからリバースグリッド方式が取られたRace2、中澤はポールポジションからのスタート。
目の前には誰もいない、シリーズチャンピオンに一番近い位置からのスタート。この位置を守り切ってゴールすること、このことだけに集中して迎えたRace2のスタート。
ローリング方式でスタートが切られたRace2、オープニングラップの順位変動はなくトップは中澤、2番手に豆野選手。Race1での収穫を武器に、中澤はじわじわと豆野選手との間合いを広げ始めていた。後ろとの距離感を保ちながら、ブレーキとマシンを労わりながらファイナルラップまでマシンを運ぶ、そんな頭に切り替わり始めた矢先にレースが動く。 レース中盤の1コーナーで、2番手の豆野選手が中澤のインに飛び込んだ。中澤はこの動きをミラーで確認した際に“嫌な予感がした”と言うが、その予感は的中し2台は接触。オーバースピードでの飛び込みとなってしまった為、中澤のマシンは弾かれる形でオーバーテイクされる。続く5コーナー飛び込みで、中澤は豆野選手のイン側に飛び込むがオーバーテイク出来ず。
接触の影響で、右フロントのタイロッドにダメージを負った中澤のマシンはアライメントが狂ってしまいマシンが安定せず、ストレートスピードにも影響が出てしまう。結果この接触は、レースコントロール側から接触検証もされないままペナルティなどは無くレースは終了。中澤は2番手でレースを終え、シリーズチャンピオンはチームメイト・豆野選手が獲得した。
【中澤卓也コメント】
まずは今シーズン、支えてくださったスポンサーの皆さん、チームの皆さん、応援してくださったファンの皆さんに、シリーズチャンピオンが獲得出来ずに申し訳ない気持ちで一杯でした。レースなので、様々なことやアクシデントが起こるのは重々承知ですが、今回の出来事は悔しすぎる結果でした。
僕にとっては初となる、全国のサーキットを転戦するレースに挑ませてもらった今シーズン。それぞれのレースで、本当に学びの多いシーズンでした。ここでの経験は、今後のレース活動にも確実に活かせるものに出来ると思いますし、そんな環境で1年間戦わせてもらったことに本当に感謝しています。あらためて、今シーズンお世話になりました皆さん、本当にありがとうございました。
この悔しさは来シーズンの糧にして、4輪レースでの初タイトル獲得に向けてまた頑張っていきたいと思います。
また来年も、皆さんにたくさん良い結果の報告をしていけるようなシーズンに出来たらと思っています。
1年間、皆さん応援ありがとうございました!来シーズンも引き続き、応援よろしくお願いします!
中澤卓也