〜中澤卓也 MINIチャレンジJAPAN2024 第2戦 レースレポート〜
[Date]
2024/05/11-05/12 鈴鹿サーキット
[Result]
予選 クラス6番手タイム
決勝 【Race 1】優勝 【Race 2】優勝
05/11 (土) 天候・晴れ 路面・ドライ
開幕戦の富士に続き、第2戦の鈴鹿も快晴の空模様。前回の優勝を逃した悔しさを払拭すべく、チームともコミュニケーションをとり、マシンの箱替えなども行ったりと気合十分でレースウィークに突入した予選。時間の無い中で、なんとか鈴鹿までに新しいマシンを用意してくれたチームやメカニックに対しても、中澤は結果で応えたい。金曜日のフリー走行時、鈴鹿でMINIを走らせるのは初だったが、マシンのフィーリングやタイム的にもコースレコードに迫るかなりいい状態で終えていた為、予選は気負うことなくミスせずにこなすことを考えていた。
午前11時50分、30分間の予選セッションがスタート。コースが空いたタイミングのクリアラップを取りやすい位置を狙う為に15分ほどピットに待機しコースイン、チームの判断も素晴らしくかなり良い位置での場所取りに成功。『ウォームアップ1周+アタックラップ2周』で予選を決め切る作戦を選択し挑んだ予選、NEWタイヤとブレーキへの熱入れを確実に終え、いざ向かったアタックラップ1周目、ホームストレートで上位クラスのM2のマシンにパスされるが、後の1コーナーへの飛び込みでそのマシンに前を塞がれてしまう。 タイヤの温存も考え、そのラップはアタックを早々に止めて次のラップへ狙いを定める。タイヤとブレーキの熱を下げないように走行し、次のラップ。この周で決め切る気持ちで迎えたアタックラップ2周目、またもホームストレートで今度は既にアタックを終えて1度ピットに戻っていた同クラスのマシンが再度ピットアウトしたタイミングに重なってしまい、1コーナーで前を塞がれる形に。 このラップでアタックを継続することも考えたが、なんとしてもチームにポールポジションをという気持ちもあってか、この周もアタックを止めて次のラップにと思った矢先、コース上でスピンをしてグラベル上に止まってしまった車両が出た為にセッションは赤旗中断。
この時に予選残り時間は8分ほど残っていた為、セッション再開後にラスト1周アタックに臨む気持ちでピットにマシンは戻さずピットレーンへ並んだ。しかし、このまま予選セッションは終了という判断になり、中澤は予選をアタック出来ずに終了。予選をクラス6番手の最後尾で終えることになった。
【決勝 Race1】 05/12 (日) 天候・晴れ / 路面・ドライ
前日の予選を、なんとも言えない不完全燃焼の気持ちで終えた中澤。レース1は最後尾からのスタートとなってしまうが、シリーズポイントを考えてもなんとしても優勝するという選択肢しか無い。前日の予選のリザルトを見る限り、金曜日のフリー走行時のユーズドタイヤでのラップタイムだが、他車と比較しても中澤にはアドバンテージがある。ライバルはポールを獲得した、チームメイトの7号車・豆野選手。スタートで逃げられないように、なるべく早めにポジションを上げて豆野選手の後ろに付くことを意識してレース1を迎えた。
午前9時30分、20分間のレースがスタンディング方式でスタート。スタート直後、2台のマシンをオーバーテイク。1コーナーの飛び込みでアウトからもう1台をパスして、3番手にポジションアップ。トップの豆野選手も、スタート直後の混乱で前の上位クラスのマシンに引っかかっている状態。これを後ろから見た中澤は、このチャンスを狙うために前を行くマシンを“逆バンク”でパスしようと横に並ぶが、お互いのサイドミラー同士がヒットしてしまい後退。その後、“130R”出口でパスして2番手に。オープニングラップで2番手までポジションを上げ、豆野選手を射程圏内に捉えることに成功する。オープニングラップの接触もあった為、少し落ち着きを取り戻すことも意識しつつ、後ろから前を行く豆野選手の走りを観察。鈴鹿の前半セクションの東コース側よりも、後半セクションの西コース側の方が自分のペースが良いことを判断した中澤は、西コースでのポジションアップを悟られない為に、東コース側で頻繁に抜くような素振りを見せていた。レース残り時間とマシンの熱管理なども考えながら、隙を伺う中澤。レース残り5分ほどになったタイミングで、やはり西コース側となる“スプーンカーブ”の2個目でチャンスが訪れる。少しタイトに侵入していった豆野選手はコーナー出口で外側に孕む形となり、そこを逃さず中澤がマシンをイン側へ。サイドバイサイドのまま“裏ストレート”を走行し“130R”の飛び込みで前へ出ることに成功、ついにポジションがトップとなった。
その直後、ホームストレート上にクラッシュした車両が出た為、セーフティーカー(SC)が導入されたが赤旗へと切り替わりセッション中断。そのままレースが終了となり、チェッカーフラッグは受けることが出来なかったが、最後尾からの今季初優勝を飾ることができた。
【決勝 Race2】 05/12 (日) 天候・曇り / 路面・ドライ
レース2開始前に、ひと雨あった鈴鹿サーキット。一時は路面を濡らすほどの雨だったが徐々に雨は止み、路面も乾き始めた為、レース2も路面はほぼドライでのレースとなった。 レース1の結果から、上位60%がリーバスグリッドとなる為、中澤は4番グリッドスタート。レース1で最後尾からのスタートを経験している為、気持ちの余裕もある状態。1つ前の3番グリッドにはチームメイトの豆野選手、富士ではレース2も制されている為、中澤はこのレースも優勝を狙いにいく。
午後3時30分、ローリングスタートの方式でレース2がスタート。オープニングラップで豆野選手とともに順調にポジションを上げ、トップが豆野選手、2番手に中澤が続く。 レース1での動きを見る限り、中澤の狙いどころはやはり後半セクションかと思われたが、そこはやはり1日に2回目のレースとだけあって簡単ではない。豆野選手もなかなかのブロックラインでの走行、無理にこじ開ければお互いが接触し2台が散ってしまう。中澤はどう攻略するかタイミングを測りながら、プレッシャーをかけ続ける。
残り7分ほどを迎えた辺りで、レースが動く。 2台のペースがかなり良く、上位クラスのJCW下位のマシンに追いついてしまい、トップの豆野選手はそのマシンに蓋をされる形で後ろからは中澤が続く。前に出たい豆野選手が最終コーナーでパスを仕掛けようと横に並ぶが、少し強引に飛び込んでしまい2台は接触。JCWのマシンはスピンをしてマシンがストップ、コース上はSCが導入される形に。 この接触により、トップの豆野選手には30秒のタイム加算ペナルティが課せられ、中澤はトップに浮上。 そのままSC先導のままチェッカーとなり、レース2も中澤が制する形となった。
【中澤卓也コメント】
まずは、チームとメカニックが時間の無い中で用意してくれた新しいマシンで優勝することが出来て本当に安心しました。少しでも、結果で恩返しすることが出来ていたら嬉しく思います。ただ、欲を言えばどちらのレースもレーシングスピードのままチェッカーを受けたかったですね。
今回のレースウィークは全セッションを通して荒れた展開が多く、僕としてもとても学びの多いレースでした。予選でのアタックタイミング、決勝では結果チームメイトがペナルティを喰らう形になったりと、今後の様々なレースをしていく上でも良い経験をさせてもらいました。 次回の岡山は、MINIのマシン以外でも走行経験が無く、全てが初めてのサーキットです。そこの部分は豆野選手も同じなので、いち早くコースにも慣れてマシンを合わせ込んで行き、チームとしても良い結果が残せたらと思っています。
今回も、ファンの皆さんがサーキットの現地に駆け付けてくれていたり、YouTubeの生配信から声援をくれたりと、とても励みになりました。次回の岡山も、皆さんからの応援に応えれるような走りが出来るように頑張ります。応援、宜しくお願いします!
次戦は、6月29日 (土) 予選・30日 (日) 決勝、岡山県・岡山国際サーキットにて開催される。