中澤卓也 MINIチャレンジJAPAN2024 第3戦 レースレポート

〜中澤卓也 MINIチャレンジJAPAN2024 第3戦 レースレポート〜

[Date]
2024/06/29-06/30 岡山国際サーキット
[Result]
予選 クラス2番手タイム
決勝 【Race 1】優勝 【Race 2】4番手

【予選】06/29 (土) 天候・晴れ 路面・ドライ

前戦の鈴鹿を優勝という形で終えた中澤、この良い流れを失わずに岡山での闘いに挑みたいと考えていた。マシンのフィーリングは、金曜日のフリー走行の段階からかなり良いフィーリング。唯一の懸念点があるとすれば、岡山国際サーキットでの走行経験とレース経験が無いという所。限られた時間で、どの程度初走行のサーキットを習得できるかがこのレースウィークの鍵であることは間違いなかっただろう。金曜日のフリー走行はウェット路面ではあったが、そのことを念頭に着実に周回を重ねていった。
迎えた土曜日の予選は、前日の天候とはガラッと変わり快晴。完全なドライ路面での予選は本来であれば喜ばしいことだが、金曜日はウェット路面での周回を重ねていた為に出来ればこの日も雨が良かったと複雑な心境。予選前に短いフリー走行枠があったため、そこでマシンのドライセットと予選でのタイヤ内圧をチームと決めて行く。不安はあるものの、力まずに自分の走りをしようと中澤は考えていた。
決勝へのタイヤマネージメントも考え、今回のアタックも多くて2周を想定しスタート。チームはベストな位置で、中澤をコースへ送り出す。前戦、鈴鹿では予選アタックのタイミングを失ってしまうというアクシデントもあった為、より集中して中澤もコースインしていた。タイヤやブレーキに熱を入れるウォームアップラップを2周入れ、アタックラップ1周目。1コーナーを終えた段階で中澤は、NEWタイヤとマシンセッティングのフィーリングにかなりの手応えを感じた。セクター1、セクタ−2とノーミスで走行、ドライブする中澤もかなりの好タイムを予感し迎えた最終セクター。ダブルヘアピン1つ目の進入でパドルシフトを使ってシフトダウンを試みたが、タイミングが早くマシン側にキャンセルされてしまい想定のギアよりも高いギアで進入してしまう。MT車では見られないが、AT車ではマシンのコンピューターによってシフトダウンがキャンセルされてしまう場合が稀にある。これにより立ち上がりが鈍くなってしまい失速、2番手で予選を終えた。
トップとのタイム差は0.01秒ほど、タラレバだがそのミスが無ければ間違いなくトップタイムだったと思われるだけに悔しい結果に。しかし、予選でのマシンフィーリングは中澤にかなりの自信を与えた予選となった。

【決勝 Race1】 06/30 (日) 天候・雨 / 路面・セミウェット

決勝日は予報通りの雨。金曜日・雨、土曜日・晴れ、日曜日・雨と、全セッションにおいて天候と路面が変化するという厄介なレースウィーク。金曜日に雨の岡山を経験してはいるが、決勝レースでの雨はこれまた初走行。しかし、中澤は案外落ち着いていた。昨年に出場したFCR-VITAのレースは全5戦中、4戦が雨でのレース。サーキットは違えど、ここでの経験が中澤を落ち着かせていた。金曜日に走行したウェット路面でのマシンセットのフィーリングも悪くなかった為、中澤はかなり自信を持って決勝のスタートを迎える。
スタート前に雨が止み、フォーメーションラップの段階で所々路面が渇き始めていた。タイヤの内圧を高めに設定していた為、レース後半のタイヤのオーバーヒートが懸念される。必要以上にタイヤに熱を入れずに、フォーメーションラップを走行する。ウェット路面でのライン取りはコーナー外側の水量が少ない場所を狙って行くのがセオリーだが、場所によってはドライラインが使えそうな場所も見受けられる。フォーメーションラップの中で中澤は、ライバルをパスするのにベターな場所を探っていた。
午前11時、20分間の決勝レースがスタート。グリッド位置は内側の濡れているライン、そこからのスタンディングスタートだったが良い蹴り出しを見せ1コーナーへ。ウェット路面ということもあってか、上位クラスのペースが上がらずに1コーナーの飛び込みからかなりの混乱。トップのマシンが上位クラスのマシンにペースを乱されたタイミングで、中澤は上手くパスして早くもトップへ浮上。1コーナーの混乱からいち早く抜け出し2番手に対するマージンを拡げにかかっていたが、オープニングラップの混乱からセーフティーカーがコース上へ。これでマージンはゼロとなってしまったが、あとはトップを守り抜くだけ。予選から続くマシンの好感触は決勝も変わらず健在、どんどんとドライアップしていく路面に対してタイヤをオーバーヒートさせないことだけに集中しながら、レースはファイナルラップ。トップを奪い返されるようなシーンもなく、鈴鹿に次ぐ今期3勝目となった。

【決勝 Race2】 06/30 (日) 天候・雨 / 路面・ウェット

Race1よりも雨足が強まり、路面は完全にウェットへ。スタート位置はリバースグリッドとなるためRace2は2番グリッド、スタート方式もスタンディングからローリングスタートとなる。前にはチームメイトの7号車・豆野選手。豆野選手も岡山での走行とレースは初だが、セッションを終えるごとにペースが上がってきていた。チームメイト同士、シリーズポイントランキングを考えても直接対決となるため、Race1ほどの余裕は中澤には無かったはずだ。
午後3時、Race2がスタート。全車混乱も無くクリーンなスタート、順位の変動も無くトップ・豆野、2番手・中澤のオーダーで続く。Race1でもセーフティーカーが導入された為、中澤はレース序盤から仕掛けていく心積りだったが、豆野選手のペースがかなりのハイペース。中澤もそれに続いていくが、コックピットでは順位だけではなくマシンの熱ダレに対する戦いも始まっていた。想定よりも早い段階で、コックピット内メーター上のマシンの各部温度表示が上昇していく。ペース配分を強いられながらも、レース中盤にトップの豆野選手がダブルヘアピン進入でブレーキングミス。オーバーシュート気味になり、間合いが詰まりトップも狙える展開に。この時点で中澤のマシンはかなり温度が上昇していたが、ワンチャンスを狙うべくプッシュをかける。これとほぼ同じタイミングで、上位クラスの周回遅れが2台の前を塞ぎ、後ろからは上位クラスのトップ集団が2台をパスしようと近づく。数台が纏まっての周回が続く、クリーンエアーをマシンに取り込むことが出来ない状況の中で、ワンチャンスに賭けて中澤はプッシュを続けた。このトライも虚しく、レース残り5分ほどの所で中澤のマシンは完全に熱による制御モードに。トップの豆野選手を追うどころか、後ろからのマシンをブロックすることも難しい状況に。結果、Race2は4番手でチェッカーを受けた。

【中澤卓也コメント】

金曜日から決勝日まで目まぐるしく天候や路面状況が変化して行く中で、どのセッションにおいても素晴らしいフィーリングのマシンを用意してくれたチームとメカニックの皆さんにまずは感謝です。結果としては、Race1は優勝という形で終えることが出来て嬉しかったですが、Race2はレース後半もはや何も抵抗することも出来ずに終える形になってしまったのが悔やまれます。天候や路面状況もそうですが、自身の結果も目まぐるしく変化しているような、1つのレースウィークで色んなことが味わえたある意味有意義な岡山での闘いだったと思います。初走行となるサーキットの習得という部分でも、今後のレース活動において自信に繋がるような形になったと思います。次戦、SUGOもMINIのマシンを走行させるのは初めてなので、チームとのコミュニケーションも密にとりながら、落ち着いてレースに挑めたらと思います。次戦は7月の中旬ということもあり、熱に対するマネージメントは走りの部分でももっと理解を深めていかなくてはいけないと思っています。もっとマシンと仲良くなって、次戦はRace1、Race2ともに優勝で締めくくりたいと思います。応援、よろしくお願いします。

次戦は、7月20日 (土) 予選・21日 (日) 決勝、宮城県・スポーツランドSUGOにて開催される。